全5回にわたって長々と解説してきたが、今回が米国ロボアド編の最終章となる。
序章で書いた内容を再掲すると、
- 10万ドル以上預託する余裕があり、人のアドバイザーに相談したい人 ⇨Betterment
- 10万ドル以上預託する余裕があり、節税テクノロジーに興味がある人 ⇨Wealthfront
- とにかく手数料を安くしたい人 ⇨Schwab Intelligent Portfolio (または、Wealthfrontで預託金を1.5万ドル以下に抑える)
ということだった。
さらに、これまで個別に説明してきた3社の比較表を作ったので見てほしい。
基本的にはNerdwalletに載っていた表をコピペして体裁を整えただけだが、Overallのコメントだけはこちらで記載した。
こうしてまとめて見ると、やはり業界最大手のBettermentが良さそうに見えるが、個人的には純粋にテクノロジーが好きなのと、国際分散投資を始めるきっかけとなった「ウォール街のランダムウォーカー」の著者がCIOを勤めているのもあって、Wealthfrontに注目している。
ただ、ここ1ヶ月ほど運用した結果を見ると
Betterment(+2.27%)>Schwab(+1.87%)>Wealthfront(0.91%)
となっており、残念ながらWealthfrontのパフォーマンスは芳しくない。今後の巻き返しを期待している。
最後に日本のロボアドについて軽く触れたいと思う。
残念ながら日本に住所がないため実際に口座を開設してみることはできなかった。
代わりといってはなんだが、下記ブログが非常にわかりやすかったので参考にしてほしい。
日本のロボアド業者のツートップであるWealthnaviとTheoのWebサイトを見る限り、どちらもSBI信託銀行に顧客の資金を預託し、SBI信託の米国支店が各社のロボアドの指示のもと米国ETFを売買する仕組みをとっているようだ。
したがって、運用は米ドル建てとなり、コストのかかる為替ヘッジもしていないため、 為替リスクは顧客が取る仕組みになっているので注意してほしい。
その辺りは各社が出している白書にも記載されている。
WealthnaviとTheoの概要は下記の通り。
運用手数料:両社とも1%(別途ETF運用手数料がかかるのは同様)
最低預託金:Wealthnavi⇒10万円、Theo⇒1万円
自動リバランス機能:両社ともあり
自動節税機能:Wealthnaviのみあり
手数料がBettermentやWealthfrontの3倍
と割高感があるが、ロボアド口座への入金/出金時に必要な
送金/為替手数料は一切取らない
ということなので、日本で投資するという意味ではそれなりに得かもしれない。(特に送金手数料はかなり高い。 外国送金についてはまた別の機会に詳しく書く予定なので参考にしてほしい。)
ちなみに、アセットアロケーションのアルゴリズムそのもについてあまり述べてこなかったのには理由がある。
アルゴについては 各社各様で 、それぞれ自社のものがいかに優れているかを白書などで主張してはいるものの、それがパフォーマンスに吉と出るか凶と出るかはマーケット次第である。
一概にどれが良いと判断することは出来ず、正直どれが当たるかは運次第だと思っている。それが特段突っ込んだ分析はしていない理由である。
以上、米国ロボアド編は終了となる。
米国で実際に口座を開く人は少ないかもしれないが、日本にいる人にとっても何かの参考になれば幸甚である。
~Fin~
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