前回からの続き。
目次
Schwab Intelligent Portfolio
預かり資産、顧客数等は不明だが、 証券会社としては老舗で、Charles Schwabといえば知らない人はいないくらい有名。実店舗もアメリカ中にある。私も証券口座を持っているが、ETF、個別株、オプション、先物、FXと何でもそろっているしネットの使い勝手もいい。
そのSchwabがロボアドを無料で提供していたので口座を開いてみた。
運用手数料:無料
最低預託金:5,000ドル
自動リバランス機能:あり
自動節税機能:あり(5万ドル以上の預託金要)
ポートフォリオに入ってくるETFそのものの運用報酬(年間0.1~0.2%程度)も追加でかかる のは他と同様。
それなりの預託金は必要であるが、手数料が無料なので気軽に始められる。
さて、次の画面の通り、インターフェースはかなりシンプルである。
ただ、お決まりのリスク性向に関する質問フェーズでは回答を選ぶたびにポートフォリオ構成がダイナミックに変わるため、私のように希望するポートフォリオ比率がある人間にとってはかなり便利であった。
全ての質問に答え終わると、下のキャプチャのように様々なシミュレーションの結果が表示され、いくつかの項目は自分で変更して再計算も可能である。
Schwabが提供している下記白書によると、将来ポートフォリオ価値の計算にはモンテカルロ・シミュレーションを使っているようで、業務でよく使っている身としては嬉しくなって色々いじって遊んでしまった。笑
Goal Tracker for Schwab Intelligent Portfolios®
その後、最終的な目標ポートフォリオが提案されるのだが、次のキャプチャのようにリスク許容度をさらに調整可能である。( バー の青い部分を左右に動かせる)
私は他との比較もあって債券比率を10%程度にしておきたかったので、リスク許容度を限界まで上げておいた。
その結果が下記キャプチャとなる。
語尾に”-Fundamental”と付いているものはSchwab独自のETFであり、ファンダメンタル重視で銘柄選択するためか経費率が通常のETFより高めになっている。これが3割程度含まれており、手数料無料の分をこういうところから回収する仕組みのようだ。。。
US Stockへの投資比率が39%と他の2社より高め。その内小型株への配分が3割近くを占めており、小型株重視の構成となっている。
米国以外の先進国への投資比率は25%と他社同様の水準ではあるものの、小型株への配分が3割程度を占めており、こちらも小型株重視の構成。
逆に新興国への投資比率は8%程度と他社の半分以下となっている。
あとはREITにも5%程度配分しているのは面白い。
一つ残念なのは現金が7.3%とかなり大きな比率を占めている点。
リターンの極めて低い現金はポート全体のリターンを押し下げるためCash Dragと呼ばれており、( 近々大きな支払いがある等現金が必要な人以外)ポートフォリオに加えるのはあまり好ましくないと考えられている。
ETFの経費が支払えなくなるのを防ぐために、顧客に 現金をわざと保持させているのではないか?と疑いたくなる。
そんな批判が殺到したのか、Schwabとしての反論が下記リンクに掲載されているので興味を持った方は参照してほしい。簡単に言うと、現金も立派なアセットクラスの一つであり、他の資産との相関が低いため分散効果が高いとの主張だ。
Schwab Intelligent Portfolios® The Role of Cash Investments in Asset Allocation
それに対してBettermentの行動ファイナンス担当役員が痛烈な批判を出しているのも面白い。
THE REAL COST OF CASH DRAG
人的にはBettermentと同意見で、現金に投資することは誰にでもできるので、その分は同じアセットクラスでよりリターンの狙える債券に投資してほしいと思っている。
さて、(不満はあるものの)ひとまずこれを目標ポートフォリオに決定し、口座開設・入金を済ませて最終的に投資された結果が次のキャプチャとなる。
それなりに誤差が出ているが、これはWealthfrontと同様で、端株ETFが取引できないためと思われる。
予定通りCashも700ドルほど入ってきている。。。実際の金額を見ると、ここにブタ積みするくらいなら銀行においておくわ!といいたくなる。
まとめると、手数料無料なのとモンテカルロ・シミュレーションが使える点は評価できるものの、現金比率が高いのが残念。
最終的にはパフォーマンスを見て判断したいと思うので、3ヶ月ごとぐらいにモニタリングをしていきたいと思う。
次回軽く日本のロボアドについて触れた後、ロボアド編は終わりにしたいと思う。
To be continued…
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