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  1. MONEY

アメリカに投資拠点を作ろう②
-海外口座開設編-

⇨序章はこちら 

このシリーズの更新は久々になってしまったが、

いよいよ帰国も近づいてきたので忘れないうちに書いておきたい。

 

海外で投資する際にまず必要なのが銀行口座と証券口座の開設であるのは間違いないだろう。

これがなくては始まらない。

 

①銀行口座の開設

ぶっちゃけると、これはビザさえあればかなり簡単。

観光ビザだとかなり難しいようだが、就業ビザなら会社が信用状のようなものを出してくれるので、

それを使えば社会保障番号(Social Security Number、SSN)がなくても口座開設できてしまう。

(※ただ、あくまでSSN取得まで待ってくれているというステータスなので、後日の報告は必須)

大きな企業なら初回出社時の手続きとしてマニュアル化されているので、ほとんど意識せずに口座開設してしまえる。

私が口座開設したCitibankは日本語のできる日本人ハーフの担当者までいたので英語が全くできなくてもOK。

学生ビザについては詳しくはないが、聞いた話ではSSNの取得は必須のようだ。

 

②証券口座の開設

銀行口座は会社が給料を振り込むために必要なので会社がサポートしてくれるが、

こちらは個人的なものなので会社サポートなしで口座開設する必要がある。

ただ、こちらもSSNと(アメリカの)住所さえあれば開設自体は簡単だ。

基本的にはオンラインで申請し、即日口座開設して入金可能。

ヴァンガードなんかは厳しくて、住所確認および電話での本人確認が必須であったが。

さて、私が口座開設したのは下記3口座。

  1. Vanguard
  2. Charles & Schwab
  3. Interactive Brokers(IBKR)

上記3口座は全て日本を始めとしたアメリカ国外でも営業免許を取得しており、

帰国後も口座を閉鎖する必要がないことは確認済み。

その国に住所変更すれば取引継続可能とのこと。

(口座開設こそしなかったが、Fidelityについても日本帰国後に取引継続可能なことは確認済み。)

 

特に3.IBKRに至っては、なんと日本にいながら口座開設可能。日本語のオペレーターまでいる。

日本からの口座開設についてはKAPPAさんの下記書籍およびブログに詳しく書いてあるのでそちらを参考にしてほしい。

 

余談になるが、一度でもアメリカに住んでSSNを取得した人は世界中のどこにいても納税義務があるのが

アメリカの税制度(人頭税)なので、正直SSNさえあれば証券会社としては監督局から文句を言われることはない。

よって、それを持っていない人でも国外から口座開設できるIBKRは各国の監督局への説明等、

相当コストを掛けて日本へ進出したのであることが想像できる。

そのため売上が悪くなれば撤退の判断をするのも早いと思われるので、

米国投資に興味がある方は早めに開設してしまうことをおすすめする。

 

個別株やETFに投資するだけなら楽天証券やSBI証券でもできるが、

あらゆる銘柄を取引できるIBKRとは違って取引可能なのは一部の銘柄のみとなっている。

何よりIBKRは手数料がめちゃくちゃ安く、米国内でもIBKRより安い証券会社は見たことがないくらいなので

デイ・トレーダーなら知らないものはいないだろう。

また、先物や先物オプション、指数オプション、個別株オプションなどのデリバティブも

世界中から自由に取引できる。これは日本の証券会社では100%できない。

 

詳細はまた別の機会に書くつもりであるが、オプション取引は奥が深い。

マーケットの上昇、下降トレンドだけでなく横ばいの時も収益を狙うことができる。

金融機関にいると個別銘柄の取引はインサイダー防止のため厳しく規制されていることもあり、

今の私のメインの運用先は先物/指数のオプションである。

 

残念ながら日本のオプションマーケットはめちゃくちゃ浅く、

日経225株先オプションぐらいしかまともに取引できるものはない。 しかも板寄せ方式なので日中取引できない。

その点アメリカはSPX(S&P500)、NDX(Nasdaq100)、RUT(Russell 2000)などの指数や先物オプションが

常にものすごい数で取引されていて流動性が高く、すぐに約定されるしビッドオファースプレッドも小さい。

また、アップルやフェイスブックなどの個別株オプションやSPY(S&P500に追随するETF)などのETFオプションも

毎日大量に取引されている。しかもいつでも行使可能なアメリカンスタイルである。

(私のようにオプション・セラーとしての取引をしたい場合はヨーロピアンスタイルのほうがいいが、指数や先物オプションはヨーロピアンスタイルなので問題ない。)

正直オプションをやるならアメリカのマーケットでないとかなり厳しい。

特にアイアン・コンドルなどのオプションを4つ以上組み合わせるオプション戦略は流動性の点から日本では実行不可能といえる。

 

さて、上記3口座の使い分けだが、VanguardはETFのBuy&Hold用

Charles&Schwabはもっぱらロボアド用

IBKRはオプションなどの分析ツールが充実していて手数料が安いのでオプション・トレーディング用としている。

IBKRはシステムが若干プロ向けで使いにくく、電話・チャットサポートもなかなかつながらないので初心者は辛いかもしれないが、投資歴の長い方は是非口座開設してほしい。

さて、ここまでIBKRを宣伝しているので口座開設アフィリエイトへ誘導するつもりなのだろうといぶかる方も多いかと思う。

が、残念ながらIBKRはアフィリエイトを受け入れていないようだ(泣)。

 

さて、以上が証券口座開設についての概要である。

上記4口座以外の口座を開設する場合は、帰国後も取引継続可能なのかを確認してから口座開設してほしい。

営業許可を取っていない場合でもさすがにすぐ閉じられることはないと思うが、新規取引や入金ができず、

既存取引のクローズおよび出金しかできないという制約がついてしまうので注意してほしい。

 

To be continued…

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  1. 2019年 11月 13日
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